国際的な展示会の1900年のパリ万国博覧会で世界的に有名になったアールヌーヴォー。
その家具の中で特に有名なものだと、エミール・ガレのトンボのオケージョナルテーブルでしょうか。
有機的な動植物からインスパイアを受け、家具、内装、美術品としてカタチにしたのが、アールヌーヴォー運動で、1890〜1910年代にヨーロッパを中心に繁栄したスタイルです。
アールヌーヴォーは、フランスの印象がとても強く、私自身もフランスで生まれたものと思っていたのですが、誕生の地はベルギーで、ヴァン・デ・ベルデという建築家で家具デザイナーが家具の構造の合理化を重視し、装飾と構造の一体化したデザインを作り出したようです。
また、イギリス、イタリア、ドイツ、スペイン等でもそれぞれに特徴のあるデザインがアールヌーヴォー運動で生まれていたようです。
特にフランスでは、ロココ様式に新しい自然主義を取り入れ、様式に重点を置いたナンシー派と、自然のモチーフを様式化し、軽快、自由で個性的な家具を作り出したパリ派と分かれており、多くの巨匠と作品を残しております。
今回は、アールヌーヴォーのお話をさせて頂きましたが、数あるアンティークのスタイルの中でも、とても独創性を感じ、また、いまにも動き出すのではないかと思わせる躍動感を感じさせるものですので、是非、お機械がございましたら、直に触れてみて頂きたい逸品です。